
しかし、今のディズニーが描く女性は王子様を待たず、自ら白馬を駆り、武器を持ってならず者相手に戦う。むしろ自身が粗暴なならず者であることも珍しくない。かつてハリウッドで長年、「理想的な男女像」を築いてきたディズニーが、自らの手でそれを解体しているのは実に興味深いことです。 また、「正義」に対する考え方にも大きな変化があります。かつての"アメリカン・ジャスティス"のような絶対的正義はもはや存在せず、最近のディズニー作品ではさまざまな立場からの正義が描かれている。 しかも、そこにはしばしば難民の視点、先住民などマイノリティの視点、気候変動に関する最新の知見など、実際の社会問題が脚本に落とし込まれ、それを解決するために戦う人の姿が描かれているのです。 これは言い方を変えれば、子供に対して世界で最も大きな影響を与える企業のひとつであるディズニーが、近年はその力を使って「世界を変えていく」ことを明らかに目指しているということでもあります。 おそらく今のディズニー作品を見て育つ子供たちは、上の世代とはまったく違うジェンダー観や正義観を持つでしょうし、複雑すぎる問題を解決することをあきらめて内向きになる大人たちとは違い、自分たちから変えていくという意識をより強く持つのではないでしょうか。 そんな世代がつくり上げていく新しい社会は、その価値観に適合できない大人(とりわけ男性)にとっては極めて居心地が悪いかもしれません。それほど強烈な変化の予兆が、子供向け、大人向け問わず最近のディズニー作品からは漂っています。 ●モーリー・ロバートソン(Morley ROBERTSON)国際ジャーナリスト。1963年生まれ、米ニューヨーク出身。レギュラー出演中の『スッキリ』(日テレ系)、『報道ランナー』(関テレ)、『所さん!大変ですよ』(NHK総合)ほかメディア出演多数。NHK大河ドラマ『青天を衝け』にマシュー・ペリー役で出演し大きな話題に!
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