
【勝者のワザ】 2位に5打差をつけてツアー9勝目を挙げたパトリック・リード。マスターズを制した当時は、典型的なドローボールヒッターであったが、その後フェードボールもドローボールと同様に精度を高め、ファーマーズインシュランスオープンでは、状況に応じて巧みに使い分けていた。 ここ2年は、デビット・レッドベターとコーチング契約を結び、技術面だけでなく、攻略に必要な考え方やメンタル面でのアドバイスも受けてきた。 はやりの掌屈、背屈という手首の使い方や、トップからダウンスイングへの切り返しでヘッドをループさせるシャローイングといった動きもなく、従来通りのスイングである。最新理論とされている動きを取り入れることなく“自分流”のままでも進化できる。新しい波に乗らなくてもいい。それは多くのアマチュアゴルファーにとって迷いを断ち切ってくれる福音のようでさえある。 リードは、レッドベターによって自分のスイングを再構築したのではない。基本動作は変わっていない。リードが大切にしてきたのはトップスイングまでの動き。(1)ハーフウェイバック(2)スリークオーター(3)トップ-という3段階で動きを作り、それを一連の動作としてつなげていくことだ。 (1)は、アドレスでの腕、肩でできる三角形を崩さずに胸郭をターンさせる。これはグリップエンドを鳩尾のあたりにつけて、シャフト部をグリップしてバックスイングするドリルで習得できる。 (2)では、コッキングを加えてシャフトを立てていく。このとき、右手首は親指側だけでなく、甲側にも折るようにすると、右ヒジが曲がりすぎることなく、左腕は伸びた状態を保てる。手首をタテに折るだけでは、両ヒジが曲がり、クラブを担ぎ上げるようなターン不足な格好になる。オーバースイングの最大原因が、これだ。 リードのような正しい動きでは、右腕が(自分から見て)時計回りに捻られ、ヒジ関節、肩関節、肩甲骨が極まる。ここに(3)を作るのに必要な腰のターンを加えると、しっかりエネルギーが蓄えられた遊びのないトップスイングが出来上がる。 (3)までできれば、ダウンスイングで下半身ターン先行のフルスイングも難しくはない。アマチュアゴルファーも(3)までの動きを繰り返しマスターしよう。そして、それを基本に、フェース面の管理とか、腕のローテーションのタイミングといった技術をプラスすることで弾道の打ち分けへの道が開けていくのだが、それについては別の機会に説明したい。 ■Patrick Reed 1990年8月5日生まれ、テキサス州サンアントニオ出身。オーガスタ州立大時代にオールアメリカンに選出。2011年にプロ転向。ジャスティン夫人がキャディーを務め、13年「ウィンダム選手権」で初優勝。18年「マスターズ」でメジャー初優勝。世界選手権シリーズでは14年「キャデラック選手権」、20年「メキシコ選手権」に勝った。米ツアー通算9勝。趣味は大学フットボール観戦、料理、ビリヤード、骨董品。182センチ90キロ。
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