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Monday, January 18, 2021

【話の肖像画】歌手・郷ひろみ(65)(18)米国で自分を変える - 産経ニュース

ニューヨークではダンストレーニングも行った =昭和58年6月
ニューヨークではダンストレーニングも行った =昭和58年6月

 《音楽の本場・米国への思い。アイドルで多忙を極めていた20代中盤の昭和55年頃から、毎年のように1カ月程度の米国短期留学を行っていた。将来を見据えた“自分磨き”“脱アイドル”への道…》

 今では考えられないのですが、当時は3カ月遅れでアメリカやヨーロッパの音楽が日本に入っていた。誰がどう見ても欧米は音楽の本場なんです。僕には「少しでも本物に触れたい、自分を変えたい」という気持ちがあった。このままでは自分が「歌えない、踊れない、しゃべれない」という“ないないづくし”になってしまうのでは、との危機感からですね。それは自分が一番よく分かっていたんです。

 結局、コントロールなんです。僕は今でも週3回、トレーナーについて1時間ほどフィジカルトレーニングをしています。トレーニングでは重力に任せてドーンと落ちるところをコントロールして鍛える。たとえば上腕二頭筋を鍛えるのに、(ダンベルなど器具を)ドーンと上げ下げしたら鍛えたことにならない。(器具が)軽くてもゆっくりとやれば二頭筋に効いている。それがコントロール。動きをコントロールすることで、肉体を鍛えることができるんです。

 歌でコントロールできることは何なのか。それは自分が何をやっているか“分かる”ことです。そこに僕は到達したかったんです。たとえばバラードで“ワッ”と歌うのと違い、“ワァ~~”と声量を落としながら歌えば、歌の雰囲気は下がってくる。さらに“ワァ~~~~~~~”とディミヌエンド(diminuendo=イタリア語で「だんだん弱く」)していけば、「落ちたよね~」となる。それがコントロールなんです。「ここまで伸ばそうか」というのが当時はできなかった。それがコントロールなんだ、ということが分からなかったんです。

 「歌えない、動けない」を「少しでも歌えるように、動けるようにしたい」という当時の思いが、米国行きの出発点でした。

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