
抗ウイルス薬はなぜ効くのか
抗ウイルス薬は、ヘルペスやインフルエンザなど多くのウイルス感染症の治療に使われている。感染者の細胞内でウイルスの複製を妨げることによって病気の進行を防ぐ。 メルク社の新薬は、RNAに似た成分をウイルスのゲノムに送り込むことで、ウイルスの複製時に様々なエラーを引き起こして増殖を妨げる。 ウイルスを増殖させないことが重要なのは、ウイルスが増えるほど細胞が多く破壊され、一般に病状も悪化するからだと、疫学者で米マウントサイナイ病院ダウンタウンネットワーク(ニューヨーク州)の感染対策部長を務めるワリード・ジャベイド氏は説明する。なお、氏も今回の研究には参加していない。 また、体内のウイルスが一定量を超えると、免疫が過剰に反応することもある。「これまで出会ったことのないウイルスがある量に達した時点で、体はこれを検出して総攻撃を開始します。小さな標的に対して戦車を投入するようなものです」とジャベイド氏は言う。おかげでウイルスを排除できても、その巻き添えで体中にひどい損傷が残ることがある。 モルヌピラビルの治験は世界中の多くの場所で実施された。非常に有望な結果が得られたため、早期に終了することになったとメルク社は説明している。デルタ株やミュー株などの変異株に対しても同薬は有効だったという。 775人を対象にした今回の治験の中間解析に基づいて、メルク社は米食品医薬品局(FDA)に緊急使用許可(EUA)を申請するほか、他の国でも同様の申請を行う予定だ。承認がいつになるかは不明だが、米国政府はすでに治療1回分700ドル(約7万7700円)で170万回分を購入する契約を結んでいるとメルク社は発表している。
からの記事と詳細 ( コロナの飲み薬候補、入院・死亡リスクが大幅減、状況変える?(ナショナル ジオグラフィック日本版) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース )
https://ift.tt/2ZZrfUb
No comments:
Post a Comment