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Friday, March 27, 2020

NHK札幌放送局 | マオリ語継承のキーマンに聞いた - nhk.or.jp

アイヌ語を消滅の危機から復興させるためにはどうすればいいのか。マオリ語継承のキーマンにヒントを聞きました。

マオリ開発省の前大臣夫妻を訪問

マオリ開発省は先住民政策を担当するニュージーランド政府の機関です。そのマオリ開発省で大臣を務めたテ・ウルロア・フラベルさんと、マオリ語教育の専門家で妻のエラナさんを訪ねました。
2人は、生涯をかけてマオリの言語と文化の継承に取り組んできたキーマン。北海道に何度も足を運び、アイヌの人たちと交流を続けています。

Qアイヌ語が復興するために必要なことはどんなことですか?

ウルロアさん
「マオリ語の、復興の歴史から言えることは、一夜でそれを成し遂げることはできないということです。時間をかけて勢いを作り上げていく必要があります。常に動かないといけないし、長い期間でプランを立てなければならない。言語を取り戻そうというムーブメントが起きてから、30年以上経っていますが、今でも私たちは、道半ばだと思っています。国を変えていくことなので時間がかかります」
エラナさん
「自分がコントロールできる小さなことから始めることが重要です。例えば、象を一気に食べようとすると、とても無理ですが、少しずつ食べていけば最終的に食べ切ることができる。小さいことから始めて、大きく作り上げていく。
もう1つは、子どもたちや若者への教育を大事にすることです。私たちは、コーハンガ・レオ(マオリ語で言語の巣の意)と呼ばれるマオリ語の保育園から始めました。最初は1つの保育園で10人から15人。それが2つか3つ。次第に数が増えていって、学校の設立にもつながりました。スタートは小さく、それでも質が高いものである必要があります。そういったムーブメントにつなげるためには、全てを注ぎ込み、自分の全てをなげうつ必要があります」
マオリ語の保育園 コーハンガ・レオ

Qアイヌ語の母語の話者はほとんどおらず、かつてのマオリ語よりも厳しい状況です。具体的にはどんなアクションから始めればいいですか。

ウルロアさん
「どんなことにでも必ず苦労や苦難があります。困難を乗り越えなければ達成できません。世界中の少数民族は同じような状況に置かれています。まず、自分たち自身に誇りを持つ必要があります。その次に、社会にマオリの価値観や少数民族の知恵などを認めてもらう。
例えば私は、マオリのラジオ局を作ったり、マオリ語の語学コースを作ったり、大学でマオリの団体を作ったりと、マオリに関連していろいろな挑戦をしてきました。その中で、自分自身も誇りを持つことができたし、関わった人たちもポジティブな気持ちになっていきました。マオリでも、マオリでなくても、意識を変えることはできるのです。
マオリ語を使ったブランドをつくるといった商業的な面で、人々にかっこいいと思ってもらうこともひとつの方法です。国際的にそういった活動が、脚光を浴びています。俳優でもマオリではない人が、マオリ語の勉強をして流ちょうに話したり、マオリの広告塔になったりすると、マオリ以外のコミュニティにもインパクトが強い。人の認識や態度を変えるために必要です」
エラナさん
「一番早い方法として、私が取り組んだのは、自分のこどもをマオリ語で育てることでした。そうすることでマオリ語を第一言語とする子どもたちを増やすことができます。言葉は自分のアイデンティティーの一部です。自分の言葉を通して世界を見ることができるようになります。
子どもが生まれてすぐ、自分たちで、子どものためにマオリ語の保育園を作りました。彼らが物心ついたときには、マオリ語は彼らの第一言語になりました。彼らはやりたい仕事や職業を追い求めて、世界のどこにでも出て行くことができます。医者もいればマオリのテレビ局のプロデューサーもいるし、さまざまな職についていますが、アイデンティティーはきちんとあります。
マオリの言葉で育った子どもたちは、マオリとして安心して成長して、他の世界に入っていくことができます。ニュージーランドでもこの点について確信していない人は多く、子どもや親に良い方法だと納得してもらうには議論が必要です。コミュニティ全体を納得させて確信を持たせるために、大きな努力が必要になるのです」

Qマオリ語もまだ復興途中ということでしたが、今後のビジョンはありますか。

ウルロアさん
「ここ最近、マオリ語を話すことは、マオリ以外の人も含めて、すばらしいことだと思われるようになってきました。しかし、マオリの大部分は貧困に苦しんでいたり、毎日の食べ物を手に入れるのに大変な人もたくさんいます。毎日、仕事に追われて、余裕がないので、生き延びるために頭がいっぱいになってしまいます。せっかくマオリ語を学べる環境があっても、それに関われる時間も余裕もない。マオリの人たちが安定して暮らせるような社会を作ることで、マオリ語をもっと学びやすい環境を作らなければいけません」
エラナさん
「以前に比べれば、マオリ語を学ぶ機会は大きく増えています。ニュージーランドのどこにいても必ず選択肢があります。そうした機会は、ただ言語を学ぶだけでなく、アイデンティティーを持ち、発展させていく場所でもあると思うのです。とはいえ、まだまだ多くのマオリは、白人がメインストリームの社会のなかで、自分が何者か、わからないでいます。それは悲しいことで、それを変えるために私たちが、一生懸命取り組まなければいけません」

2人は、アイヌ語が失われつつある状況に心を痛めていました。まずは、アイヌ語を話すことに誇りに感じる人々が増える環境が必要だということ、そのために教育が欠かせないと、何度もお話していたのが印象的でした。

2020年3月26日

3月27日(金)のほっとニュース北海道で特集します
午後6時10分~総合テレビ

マオリ取材記 web

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March 27, 2020 at 04:44PM
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