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Sunday, February 23, 2020

厚底シューズが変えた陸上界の常識と記録 世界を席巻するナイキ - スポーツナビ

 世界のマラソン界を「厚底シューズ」が席巻している。世界記録が男女とも塗り替えられ、2018年には設楽悠太(Honda)と大迫傑(ナイキ)が相次いで日本記録を更新した。彼らはみなナイキの厚底シューズ「ヴェイパーフライ」を履いていたという共通点がある。

 現在では世界歴代の上位記録の多くがヴェイパーフライを履いた選手によって出され、箱根駅伝でも8割以上の選手が使用し、10区間中7区間で区間新記録が誕生するなど、その勢いはとどまるところを知らない。今やマラソンシューズと言えば「ナイキの厚底」という状況だ。東京マラソンでも多くのランナーが使用することが想定されるヴェイパーフライ。どういう点が優れ、今後どうなっていくのか。現在の『厚底シューズ事情』について解説する。

レース用シューズは薄底から厚底へ

 厚底シューズが速い、という概念が世の中に定着したのは17年以降のことだ。それまでトップランナーの履くレース用シューズは「薄くて軽い」が常識だった。

 速く走るためには靴の重さが邪魔になる。そこで、各メーカーは軽量化のためにアッパーやソールのパーツを最低限度まで減らそうとした。その結果、トップランナーが履くシューズは「薄底」になっていった。

 ところが、ナイキは17年7月に厚底のレーシングシューズ「ナイキ ズーム ヴェイパーフライ(以下VF)4%」を発売。ソールには航空宇宙産業で使われる軽量素材が採用され、厚底なのに軽いという画期的なモデルだった。

 このシューズで特筆すべきは、ソールの中に湾曲したカーボン製のプレートが内蔵されていたことだ。足が着地する際にプレートが曲がり、それが元に戻る際に反発力を生む構造だった。

 また、「ズームXフォーム」と名付けられたソールの素材も独特で、そのエネルギーリターン率は同社の研究によれば他の素材が60%台なのに対し、80〜85%という高い数値を示したという。

 カーボン製プレートを2つのズームXフォームで挟むことで、接地感が柔らかいのにバネのように反発する「軽量厚底シューズ」が完成した。ナイキによれば、同社の従来の最速モデルと比べて走行効率が4%向上したことからこの名前がつけられたという。

 ただし、このVF4%は選手によって、合う/合わないが分かれた面もあった。アフリカ人選手の使用を想定し、「マラソン2時間切り」をターゲットに開発されたためか、踵(かかと)ではなく前足部から接地するスピードランナーに適していると言われた。また、独特の履き心地から多少の慣れも必要で、疲れてフォームが乱れてくると反発力をうまく推進力に変換できず、脚が「空回り」するといった指摘もあった。これを防ぐために、厚底シューズをいち早く取り入れた東洋大などは、体幹や股関節などの筋力強化を重点的に行っている。

 さらに、耐久性の問題もあった。メーカー側の推奨耐用距離は「100マイル(約160キロ)」で、フルマラソンであれば4レースしか本来の性能を発揮できない。

 それでも、16年リオ五輪金メダリストのエリウド・キプチョゲ(ケニア)が、17年5月にこのVFの特注モデルを履いて非公認のレースで、当時の世界記録を上回る2時間0分25秒をマークしたこともあって、発売直後から人気が殺到。あっという間に品切れとなり、入手困難のシューズとしても話題を集めた。

 18年秋にはアッパーを改良した新バージョンも登場したが、ソールの構造自体は初期モデルと同じで、大きな変化はなかった。ところが、19年6月に発売された「ナイキ ズームエックス ヴェイパーフライ ネクスト%」がマラソン界を揺るがすこととなる。

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