
この夏、「フォーシーズンズホテル丸の内 東京」に新たなレストランが2軒誕生した。ひとつはビストロ、もうひとつは星を狙えるフレンチだ。香港からやってきた英国人のエグゼクティブシェフ、ダニエル・カルバートが、いま丸の内を盛り上げる。 【写真を見る】若き才能が繰り出す美しき料理たち……!
いま、フォーシーズンズが食に全力を注いでいる
近年オープンしたラグジュアリーホテルのなかで、最も成功を収めているのは「フォーシーズンズホテル東京大手町」じゃないだろうか。コロナ禍に誕生したホテルにも関わらず、元気がいい。開業に伴い、ダイニングに力を入れた結果でもある。 フレンチの「est」にはミシュラン2つ星を獲得していた「キュイジーヌ[S]ミッシェル・トロワグロ」からシェフとパティシエを招き、イタリアンの「ピニェート」にはナポリ出身のピッツァ職人がいる。 いずれも39階という高層階に広々としたテラス席を備え、夕暮れ時にテラスで乾杯すれば、もうバカンス気分。バーのカクテルも面白く、フロア全体に景気のいいムードが漂っている。 内装を手がけたのは香港や英国で活躍する建築家、アンドレ・フー。客席と厨房を隔てていた壁に大きな窓を設置し、シェフが調理する様子をライブ感たっぷりに眺められる造りとした。 そんな盛り上がりを見せる「フォーシーズンズホテル東京大手町」に負けじと、「フォーシーズンズホテル丸の内 東京」は若きスターシェフを香港から招聘していた。それが、ダニエル・カルバート(33歳)。香港の「Belon」を4年で「アジアのベストレストラン50」の4位にランクインさせた俊英だ。 「料理をすればするほど、より美しい料理とは、優れた食材と調理だと感じます。私が気にするのはそれだけです」(カルバート)
新総料理長、ダニエル・カルバートとは?
イギリス南東部・サリー州出身のカルバートが料理の世界に入ったのは16歳の時。ロンドンの人気店を経験し、21歳になるとNYに渡り、3つ星店の「Per Se」で働き始める。その後、23歳という若さでスーシェフに抜擢され、腕をふるうが、5年後には「一度はフレンチの本場で学びたい」とパリ行きを決意。スーシェフのポジションを手放し、パリ随一のグランメゾン「Epicure」にてアシスタントとして再スタートをきった。 パリで進化すると、2016年に香港の「Belon」のヘッドシェフに就任。「Belon」でアジア4位まで登ったからには、同じ店で栄光をキープし、さらに上位を目指すこともできたはず。しかし東京への誘いがくると、カルバートは東京行きを即決したという。 「なぜ断れますか? 考えることすらしませんでした」 「ランキングに意味はありますが、最も重要なことではありません。最も重要なのは料理です。新しいことを学び、新しい人々に出会い、人として成長し、より優れた料理を作ることは、称賛にしがみつくより大切。だから私はここに来ました。もちろん、称賛も大好きですよ(笑)。誰だってそうでしょう。でも、称賛は私を成長させるものではありません」 彼にとって香港はとても居心地のいい場所だった。仲間も多く、街の人々にも愛された。「いまでも香港が大好き」と思い入れも強い。それでも、東京に挑戦した。 「結果ばかりを心配するのではなく、自分にとって意義が大きい決断であるかどうか。何かを選択する時、私たちはいつも他人のことを気にしてしまいます。この人のためにここにいるべきとか、去ったら彼らはどう思うだろうか、とか。しかし、本当にサポートしてくれている人たちは常に側にいます。そして、彼らのためにも、私はもっとよいシェフになる義務があります。いつか香港のお客様がここに来ることもあるでしょう。その時、どれだけ美味しくなっているかをみて欲しいです」 そうして、カルバートはサワードウブレッドの発酵種をスーツケースに詰めて香港からやってきた。先に言うと、彼のサワードウは日本で断トツ一番だと筆者は思っている。
からの記事と詳細 ( 「フォーシーズンズホテル丸の内 東京」を変えるスターシェフが香港からやってきた!(GQ JAPAN) - Yahoo!ニュース )
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