
福島中央テレビ
「復興五輪」と銘打たれた東京オリンピック。全競技に先駆け、ソフトボール日本代表の予選が福島から始まった。しかし、新型コロナウイルスの感染拡大で外国人観光客の訪日も困難に。世界に発信するはずだった復興五輪の意義はどこか薄れている。福島第一原発事故から10年あまり、実害と風評に向き合い続けた人が本当に伝えたい「FUKUSHIMA」の姿は――地元記者がリアルを追った。 訪日中止オードリー・タン氏語る五輪の意義
■一転「無観客」福島の希望は
東京オリンピックの競技が始まる11日前のことだった。県内報道各社に届いた緊急会見の知らせ。福島県の内堀雅雄知事の表情がいつも以上に険しくなっていると記者は気づいた。 「東京オリンピックの野球・ソフトボール競技を無観客で行うよう組織委員会に要請を行い、了承いただいたので発表いたします」 2017年3月、東京オリンピックの追加種目として復活する「野球・ソフトボール競技」の予選が福島市の県営あづま球場で開催されることが決まった。その6年前に発生した東日本大震災からの復興を世界に示すという大義のもと、新型コロナウイルスの感染拡大で大会が1年延期となっても準備が進められてきた。 各社が一斉に速報で報じると県民の反応は落胆、納得など様々だったが、共通していたのは「驚き」だった。なぜなら発表の2日前の時点では7150人を上限に「有観客」で開催することが大会組織委員会と県との協議で決定していたからだ。有観客から一転、無観客という急転直下。その理由は福島県内の感染状況が悪化し、安全な大会を成立させるためにやむを得ない判断とした。
落胆した1人が福島の農家だ。県の中部に位置する二本松市の果樹農家・熊谷耕一さん(66)は「いまだに福島のイメージが悪い人もいるはずだから、それを変えるチャンスだったのに」と肩を落とした。
■韓国選手団が福島県産食材拒否「誤解と偏見では」
「復興五輪」は来日した外国人に現地で福島の食を味わってもらい、安全性を伝える絶好の機会でもあった。福島第一原発事故以降、福島県産の野菜や果実は8年連続で基準を超えていない。しかし開幕の直前、在京キー局のニュースに記者は耳を疑った。韓国のオリンピック委員会を兼ねる大韓体育会が選手村の食事に福島県産の食材が使われるのを懸念し、選手団のための給食センターを設置し、韓国メディアも「放射能フリー弁当」と安全性を強調したのだ。内堀知事もこの事態に対応するためメッセージを出した。 「誤解と偏見をなくし、正しい情報を認識してもらうことが風評払拭の本質です」 ある県関係者は憤りを抑えられない様子だった。「韓国の方針に科学的な事実で反論しないメディアもどうかと思いますよ」
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