
攻撃的な上司やルーズな部下……。ストレス源になる面倒な人には、どう対応するのがよいのでしょうか。産業医の井上智介先生は「攻撃されたり、揚げ足をとられたりして、自分が傷ついているのに、相手のいいところを探そう、仲良くしようと思う人がいます」と指摘。そうやって自分の気持ちにふたをし続けると、いつかどこかで爆発してしまうと警鐘を鳴らします――。 【この記事の画像を見る】 ■「人間関係の悩み」2パターン 働く人にとって、人間関係の悩みはつきません。確かに「会社に行きたくない」というほど会社に嫌いな人がいるという人も少なくありません。 人間関係の悩みのパターンは2つ。ひとつは上司との関係で、上司が攻撃的だったり、ネチネチ揚げ足をとったりするようなタイプで、自分が傷つくパターン。それで「もう会社に行きたくない」という人はけっこういますね。 もうひとつのパターンは、時間を守らない、期限をスルーするといった、ルーズな人がいて、ストレスがたまるというパターン。そういうタイプに対しては、こいつとは関わりたくないという気持ちが強くて、会社に行きたくないというほどではないかもしれません。 ■自分を変えたほうが楽 こういった職場の人間関係で悩まされている人に、大前提としてお伝えしたいのは、相手を変えようとしたり、相手が変わることを期待したりしないこと。これは絶対にやめたほうがいいです。 攻撃的な人にそれがパワハラであることに気づかせるのは時間がかかりますし、時間を守らない人に時間を守りなさいと正論を振りかざしても、変わらない人は変わりません。相手を変えようと、こちらが時間やエネルギーを注いでも、ムダに終わることが多い。ここは自分の受け止め方を変えるほうが正解です。変わるなら相手ではなく自分。そのほうが、よほど楽です。
■意外に多い「嫌いな人に好かれようとしてしまう人」 しかし、自分の受け止め方を変えるときに、その変え方を間違うことがあるので注意が必要です。たとえば、攻撃されたり、揚げ足をとられたりして、自分が傷ついているのに、それを乗り越えようとして、相手のいいところを探そう、仲良くしようと思う人がいます。 嫌いなのに好かれようとするのは、おかしな話。しかし会社の人間関係においては、そうしないと生き残れないという側面もあるせいか、そういうことをしてしまう人は少なくありません。これは明らかに変え方が間違っています。 なぜ、そういうことをしてしまうのか。理由の一つは、もし相手と仲良くなれば、自分への攻撃がなくなるのではないかと淡い期待を抱いてしまうこと。もう一つは相手を拒否したり、嫌ったりすることがいけないということが考えの根っこにあることです。もともと僕たちは、小さい頃から人を差別してはいけない、人の好き嫌いはなくせ、人と仲良くしなさい、と言われて育ってきているので、人に対して嫌な思いを持つことや拒否することはダメという思考回路になってしまっています。 ■いつか、どこかで爆発してしまう しかし、それは自分の「嫌い」という気持ちにふたをし続けているだけですから、自分の中に負のエネルギーはたまる一方です。結局、いつかどこかで爆発してしまうでしょう。それが本人の前なのか、ひょっとしたら家で自分のパートナーや子どもの前かもしれません。爆発まではいかなくても、イライラしたり、怒りやすくなったり、何かしら弊害が出てしまうので、そういう方法で自分の変えるのは、絶対にやってはいけないことなのです。 自分の気持ちを抑え込みやすい人は、もともと自信がない、自己肯定感が低いといった特徴があります。でも人が人を嫌いになることは、全く悪いことではありません。嫌いなものは嫌いで、それ以上でもそれ以下でもない。相手が嫌いなら嫌いと認めて、変な加工はしないことが大切です。 そのうえで、物理的にも心理的にも距離をとりましょう。物理的な距離をとるには、とにかく「近づかない」。心理的な距離は、自分が鳥になったつもりで空から、その人と自分との関係を見る「メタ認知」がおすすめ。メタ認知を行うと、相手のことがちっぽけな存在に見えて、何を言われても受け流すことができるようになります。
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