山口県下関市の市生涯学習プラザで19日に開かれた長州「正論」懇話会の第34回講演会では、ジャーナリストの櫻井よしこ氏の講演に先立ち、特別ゲストの安倍晋三前首相との対談が行われた。主なやり取りは以下の通り。
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櫻井 安倍政権は国際社会で作られたルールの中に入るのではなく、作る側に回った。素晴らしい実績でした。しかし、国内を見ると、悲願だった憲法改正は進んでいません。
安倍 戦後日本は、出来上がったものを変えることに慎重だ。(昭和35年に祖父、岸信介元首相が手掛けた)日米安全保障条約の改定時も、日本に有利な条約となるにも関わらず、大変な反対運動が起きた。しかし今はどうか。7~8割が(日米安保を)肯定している。憲法も変えるのは大変だが、変えたら「良かったな」となるだろう。盛り上がりは足りないが、自民党は先頭をきって運動を展開しないといけない。憲法改正は選挙公約の大きな柱だ。党公認で当選している以上、改正に向けて努力する義務がある。
櫻井 国会の憲法審査会が動かない。どうしたらいいか。
安倍 各党の賛成を得て進めていく現在の運用だと、「何があっても議論を進めない」と決意している人が1人でもいると、全く進まなくなる。国民を代表している議員の多数が賛成したら前に進めることが民主主義ではないか。この姿勢が、憲法審査会でも求められていると思う。また、憲法審査会では議員同士が議論する。議員の力量が試される。しっかりと動かすことが求められている。
櫻井 厳しさを増す国際情勢を見ると、憲法改正をしないで日本は生き残っていけますか。
安倍 時代、時代にあわせて憲法を変えていくのは当然で、その意味で、一度も改憲していない日本はまれな存在だ。何となく、宗教上の法典のような存在となり、指一本触れてはいけないという認識がある。それを変えていく。私たちの憲法だから、私たちが書き上げていくのは当然だ。インド太平洋のパワーバランスが変わっている中、バランスを取ることが地域の安定につながる。それを担う自衛隊が、士気高く、命を懸けてやっていくために、憲法の中に自衛隊を明記する必要がある。それ抜きに日本の将来は安心できないと思う。
櫻井 憲法改正に向け、心を一つに進めていきたい。今日のお言葉、心強く聞きました。ありがとうございました。
安倍 ありがとうございました。
【長州正論懇話会】櫻井よしこ氏講演詳報「国土、国民を守る権利を認めない憲法は改正すべきだ」
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