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Sunday, May 24, 2020

意識の周りの「モヤモヤドロドロしたもの」 - 日経メディカル

 本連載では、書籍『看取りの技術』の内容の一部を、加筆修正してご紹介します。今回は、がん患者さんの肝性脳症による意識障害への対応法について述べます。

肝性脳症による意識障害はどのような状態か
 肝性脳症による意識障害については、多くの肝不全患者さんを診てきた印象から、本人の意識は真ん中に比較的しっかり残っていながら、意識の周りに「モヤモヤドロドロしたもの」がいっぱいあり、それが邪魔をして外の世界と連絡が取りにくくなっている意識状態の人が多いように感じています(「肝不全で意識障害や黄疸が出てからの経過は速い」参照)。以前からそのようなイメージを持っていましたが、ある日それを確信に変える出来事が起こりました。

 完全に肝性昏睡になったように見える患者さんの奥さんから「もう私たちのことは分からないのでしょうか」と聞かれたことがあり、私は「意識は真ん中にしっかり残っていて、その周りにモヤモヤドロドロしたものがあって、外との連絡が取りにくいような状態だと思います」と、いつものように説明しました。

 すると、それまで全く意識がないように見えた患者さんが「全くその通りです」と突然、声を上げたのです。患者さんのベッドから1mくらい離れたところで奥さんと話していたので、その声を聞いてベッドの近くまで行くと、今度は「先生の言われる通りです」と言葉を変えて伝えてくれたのです。訳の分からない世界に沈んでいってしまっている自分の今のこの状況を分かってくれる人がいた、という喜びの叫びだったかもしれません。私も心が通じた喜びを、がっちり握手をして伝えました。

 ほかにも肝性脳症の初期の人たちにその説明をしたところ、「そういう感じです」と言われることが何回かあり、恐らく多くの患者さんがそのような感じなのだと思います。

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May 24, 2020 at 10:30PM
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