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Monday, November 29, 2021

快適ネックバンドスタイルで驚きの臨場感! ソニー「SRS-NS7」で「ゴジラvsコング」 - AV Watch

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ソニーの「SRS-NS7」

何回か続けてきたDolby Atmos機器のシリーズもここで一段落。最先端のホームシアターシステムやサウンドバーなどを取り上げてきたが、今回取り上げるのはネックバンドスピーカー。首にひっかけるようにして装着するタイプのスピーカーシステムだ。

ネックバンドスピーカーは、ソニーが「SRS-WS1」で先鞭を付け、テレビなどで紹介されて人気に火が付き、一時は品薄になるほどになった新カテゴリーだ。ソニーも軽量・コンパクトでテレワーク向きな「SRS-NB10」を発売するなどラインナップを強化しているし、ソニー以外の他社からもネックバンドタイプのスピーカーがいくつか発売された。

ネックバンドスピーカーの良いところは、ヘッドフォンやイヤフォンのように耳を塞がないこと。長時間使っていても耳が痛くなるようなことはないし、使用中に家族から声をかけられたり、来客や宅配便の配達があってもすぐに対応できる。もちろん、耳のすぐ近くにスピーカーがあるので、絶対的な大音量を必要としないし、周囲への迷惑も少ない。ワイヤレスタイプならば装着したまま、自由に室内を歩き回れるのでこれまた快適。と、日常的に使う個人用のスピーカーとしてはかなり使いやすいものだ。

現在は人気も一段落しているようで、絶対的な高音質を求めるならば、高級機まで幅広く製品が揃っていて、音質の好みでも選べるヘッドフォンやイヤフォンをチョイスする人もいるし、ステレオ装置なりサラウンド装置なりの従来のスピーカーシステムを選ぶ人もいる。パーソナル用の使い方で快適性を重視する人が選ぶアイテムとして定着したと言える。

そこにソニーが投入した最新モデルが「SRS-NS7」(実売約3万3,000円)。その最大の特徴はソニーの薄型テレビの高級モデル「BRAVIA XR」シリーズと組み合わせることで、Dolby Atmosや360 Reallity Audioの立体音響が楽しめること。しかも、個人の聴感特性を解析・最適化してよりリアルな臨場感を得られる「360 Spatial Sound Personalizer」も備えている。快適に使えるネックバンドスピーカーで、本格的な立体音響までも楽しめるというわけだ。

実売3万円ほどの価格でDolby Atmosというと、サウンドバータイプのスピーカーのAtmos対応モデルよりも安価だし、なかなか魅力的。ただし、Dolby Atmosなどの立体音響は前述の通り、今春モデルが初登場となるBRAVIA XRシリーズとの組み合わせでしか実現できない。その理由を簡単に言えば、BRAVIA XRシリーズの高性能なシステムLSIの処理能力を使ってサラウンド処理などを行なっていることが大きな理由。

ネックバンドスピーカー単体でこれを実現しようとすれば、高性能なシステムLSIを備えたコントロールボックスのようなものが必要になり、そこにはHDMI入出力なども備えることになる。そうなれば、価格は5~10万円近いものになるだろう。この価格帯になると、それならサウンドバーの方がいいと考える人もいるだろうし、手軽なネックバンドスピーカーとしてはハードルの高い高級機になってしまう。そこをBRAVIA XRシリーズとの組み合わせとしてリーズナブルな価格を実現したわけだ。BRAVIA XRシリーズのユーザーにはうれしいアイテムの登場だ。

BRAVIA XR「XRJ-55A80J」

BRAVIA XRとワイヤレストランスミッターを接続。スマホで個人特性の最適化も行なう。

SRS-NS7のネックバンドスピーカーとワイヤレストランスミッターはペアリング済みで出荷されているので、BRAVIA XRとワイヤレストランスミッターを光デジタル音声ケーブルとUSB-C端子で接続すれば準備は完了。

取材用にお借りした「XRJ-55A80J」と接続すると、ワイヤレストランスミッターのインジケーターが点灯。SRS-NS7の電源をオンにすると自動的に接続される。接続完了のメッセージがネックバンドスピーカーから聴こえたら、XRJ-A80Jのリモコンを使ってクイック設定で機能メニューを呼び出せばいい。メニューに「3Dサラウンド」の項目が追加されていて、そこに「SRS-NS7」の名称が表示されている。どうやら、BRAVIA XRとの接続時はUSB-C端子は電源供給だけでなく、接続された機器の認証なども行なわれているようだ。

基本的には、この状態で3Dサラウンドを「入」にすれば、Dolby Atmos音声のコンテンツの再生中ならばDolby Atmosの再生になる。Atmos音声以外のステレオ音声や5.1ch音声なども3Dサラウンド機能で擬似的な立体音響になる。軽く試してみたが、ステレオ構成のネックバンドスピーカーながらもサラウンド感はなかなか豊かで、高さ感もしっかりとある。空間の広がりも頭の周りだけでなく、身体全体を包み込むような包囲感もあり、サラウンド感はなかなか優秀だ。

ただし、ちょっとバーチャルサラウンド的というか、人工的なサラウンドにも感じられる。これは、一般的な人の聴感特性の平均値を元にした特性のため。もうひと手間かけて、個人の特性に合わせた最適化を行なう必要がある。

個人の特性の最適化は、別途スマホ用アプリの「Headphones Connect」や「360 Spatial Sound Personalizer」を使って行なう。「360 Reality Audio」を体験したことのある人ならばご存じかもしれない。正面の顔写真と左右の耳の写真を撮影して特性を測定するものだ。

アプリを起動して、ガイドの指示通りに撮影を行えばいい。注意点は、スマホでのアカウント登録と、BRAVIA XRでのアカウント登録で同じユーザーIDを使用すること。BRAVIA XRでは、初期設定時にアカウント設定などを行うので、ひととおりきちんと設定しておこう。個人の測定データはクラウド上に保存され、クラウド経由で同じアカウントのBRAVIA XRに転送されるわけだ。

「360 Spatial Sound Personalizer」を使った個人聴感特性データの作成。アプリを起動したらガイドの説明通りに写真撮影を行なう
左耳の撮影。一人でも撮影ができるようにカメラの位置などを指示してくれる
左耳と右耳の撮影が完了。この画像を元に、聴感特性の最適化が行なわれる
耳の形の測定中。測定が完了すると、データはクラウド上にアップロードされる

聴感特性データの作成が完了したら、スマホでの操作も終了。XRJ-55A80Jに戻って、設定画面を呼び出す。そこにある「リモコンとアクセサリ」の項目を選択すると、「3Dサラウンド ネックバンドスピーカー/ヘッドホン」の項目が増えている。ここで設定を行なう。

3Dサラウンド機能のオン/オフはクイックメニューから切り替えできるが、聴感特性データの変更はここでしか行なえない。初期設定である一般的な人間の特性データのほか、先ほど測定した個人データが選択できるようになっているので、ここで切り替えるとデータの最適化が完了する。3Dサラウンドのデモを試してみれば、立体的な音の広がりがより自然なものになっているのが感じられるだろう。

「設定」にある「リモコンとアクセサリ」の項目。3Dサラウンド関連の項目が増えている
「3Dサラウンド」のオン/オフ、聴感特性データの変更、3Dサラウンドのデモが行なえる
聴感特性データの変更では、測定した個人データに切替ができる。複数のデータを管理できるので、使用するユーザーごとのデータを登録しておくことが可能だ
3Dサラウンドのデモ。動画に合わせて立体的に広がる音が再生される

これで、SRS-NS7を使うための準備はほぼ完了。SRS-NS7での操作は音量調整のみで、以後の設定や操作はすべてBRAVIA XRで行なう。クイックメニューから音質設定や音質モードを選べば、内蔵スピーカーと同じように好みに合わせて音質への調整ができる。音質モードはスタンダード/くっきり音声/シネマ/ミュージック/スポーツ/ドルビーオーディオが選べるのは内蔵スピーカーと同様。音質調整でもサラウンド効果やイコライザー機能、ボイスズーム機能の調整などが行なえる。

ただし、3Dサラウンドをオフならばこれらの調整効果はきちんと反映されるが、3Dサラウンド機能は音質的な支配力も強いようで、3Dサラウンドをオンにする調整による音質の差はごくわずかな違いになってしまう。個人特性の最適化が済んでいれば、3Dサラウンド オンのままでもステレオ音声なども自然な広がりのある再生音で違和感はほとんどないし、開放的な音場感になるのでむしろ聴きやすいくらいだ。だから、SRS-NS7の使用時は常時3Dサラウンド:オンで問題ないくらいだ。

音質モードの項目。スタンダードをはじめとした各種のモードが選べる。これは内蔵スピーカーと同様だ
音質調整の項目。こちらも内蔵スピーカーの設定と同様。各モードごとにサラウンド効果などを調整できる

ここで軽くXRJ-55A80Jについても紹介しておこう。

有機ELパネル採用のBRAVIA XRシリーズには上級機にA90Jシリーズもあるが、認知特性プロセッサー「XR」の採用はもちろん、使用する有機ELパネルも共通。画質的な実力や機能的な違いはほとんどない。A90Jシリーズとは、内蔵スピーカーや装備など、細かな仕様の違いがあるだけだ。サイズバリエーションはA90Jが83/65/55型に対して、A80Jが77/65/55型となっている。

現時点でちょっと気になるのは、SRS-NS7がパーソナル用途のモデルなのに、液晶テレビのBRAVIA XRシリーズも含めても最小サイズが50型という点。50型となると家族みんなで使うリビングに置かれることが多いと思うし、パーソナル用ならば40型クラスのサイズを選びたい人もいるだろう。来春モデルでは、BRAVIA XRシリーズのラインアップに有機ELの48型や液晶の40型クラスも加わると期待したい。

XRJ-55A80Jは、新しいインターフェースのGoogle TVも採用していて、充実した動画配信サービスへの対応に加えて、独自のサービスである「BRAVIA CORE」なども備え、魅力の大きなモデルだ。なにより、最新鋭の有機ELパネルによる映像はコントラストもさらに向上し、暗部再現性の豊かさも含めて実にリアルな表現力を得ている。こうした映像表現力の実力は見事なもの。

ちょっと手間取ったのが、何故かドルビービジョン信号を受け付けなかったこと。外部入力からの4K HDR信号は受け付けるのに、ドルビービジョンとはならずHDR10として認識されてしまう。もちろん、動画配信サービスで試せばドルビービジョン信号をきちんと受け付ける。

結論としては、HDMI信号フォーマットの設定の問題だった。標準的なHD信号と、4K信号や8K信号にも対応するように設定で切り替える必要があった。そのフォーマット切り替えで、4K信号などに対応する拡張フォーマットに切り替えるのだが、拡張フォーマット(ドルビービジョン優先)という項目まであったのが盲点だった。4K HDR信号には対応するので、HDMI信号のフォーマットの問題とは気付かなかったのだ。UHD BDプレーヤーなどでドルビービジョン収録のソフトを再生する場合は、この点に注意して信号の設定を確認しておこう。

「設定」にある「放送と外部入力」の項目。ここの「外部入力設定」で「HDMI信号フォーマット」を選択する
「HDMI信号フォーマット」の項目。標準/拡張のほか、拡張(ドルビービジョン優先)という項目がある
設定の確認後。無事にドルビービジョン信号を認識し、画質モードがドルビービジョン用のものに変わっている
入力信号を確認したところ。きちんとドルビービジョン映像とDolby Atmos音声を認識している。動画配信でのAtmos音声はロッシー圧縮のDolby Audio+Atmosであるため、UHD BDなどの再生ではきちんとロスレスのDolby True HDであることを表示するのが最近のトレンド

「ゴジラvsコング」の上映。豊かな立体感はどこまで味わえるか

いよいよ上映だ。「ゴジラvsコング」は、ギャレス・エドワース版の「ゴジラ」、続編となる「ゴジラ キング・オブ・モンスターズ」に連なる作品で、同じモンスターユニバースの作品である「コング」とも世界観を共有している。個人的には、日本版「ゴジラ」でも登場したキングギドラなどが登場する「ゴジラ キング・オブ・モンスターズ」の方が好きだが、こうしてシリーズを通して見てみると、本作もなかなか楽しい。

コングは本作では斧のような武器も使うが、基本的に徒手空拳で戦うので、放射能火炎という飛び道具のあるゴジラとのバトルでは不利に感じるが、それを俊敏な動作で超接近戦に持ち込む展開が痛快。要するに生身の殴り合いだ。

ゴジラも噛みつきや両手の爪で攻撃するなど、きちんと肉弾戦の相手をしてくれるあたりは横綱の風格。ただのプロレスには陥らず、コングの素早い動きに合わせて、ゴジラが四つ足歩行で突進するなど、今まではあまり見られなかった恐竜的な動きでバトルを展開するのもいい。ストーリーを丁寧に紹介するような作品でもないので、映像的・音響的な見どころをピックアップしながらインプレッションをしていこう。

SRS-NS7は3Dサラウンドをオンとし、音質モードは「シネマ」とした。まず感じるのが、Atmosらしい立体的な音響がきちんと再現されているところ。SRS-NS7は前半での解説の通り、スピーカーユニットが左右が連結された根元に近い位置にあり、装着した状態ではちょうど耳の直下にスピーカーユニットがあるイメージだ。そのせいもあって、3Dサラウンドをオフとしてステレオ音声の音楽などを聴くと、スピーカーというよりもヘッドフォンに近い聴こえ方になる。多くのネックバンドスピーカーが、ユニットをネックバンドの下端に配置して音が前の方から聴こえてくるのとはかなり印象が違う。

だから、ヘッドフォンに慣れた人に馴染みやすく、スピーカー的な音を期待するとちょっと不自然さもある。Dolby Atmosなどのサラウンド音響のものではなく、音楽やテレビドラマなどのステレオ音声が多いものを中心に見る人だと、好みが分かれそうだとも感じる。これが3Dサラウンドをオンにすると、ガラリと聴こえ方が変わる。セリフはきちんと目の前に浮かび上がるし、音楽は前方を中心に広々と左右に展開する。横や後ろへの音の響きも加わって包まれるようなドーム状の音響空間になる。もちろん、高さ感もしっかりとあり、思った以上に本格的なサラウンド音響だと感じる。

コングを保護するモナークの面々は地球の内部にあるとされる空洞世界がコングの故郷であるとの仮説のもと、その入り口のひとつである南極にコングを移送する。駆逐艦や空母に守られた巨大なタンカーに乗せての船旅だ。タンカーの艦橋からコングの様子を見て、甲板に出てコングの間近に向かうシーンがあるが、コングが画面に見えているときはその声が前から。カットが変わってコングが見えなくなると、コングがいると思しき横の方や後ろの方からコングの唸るような声が響いている。シーンのアングルの変化に合わせて音も移動するので、サラウンド感の確認にも使える場面だ。

このシーンで、コングの声を前方だけでなく横や後ろからも実体感のある音で再現する。方向感や定位も優秀だし、移動感もスムーズだ。強いて言うならば、真後ろの音はやや距離が近い感じで後ろの空間の広がりはやや足りないと感じるが、横方向の広がりは自宅の120インチのスクリーンで見ていても不足を感じないほどワイドだし、セリフなどの前方の音もスクリーンやXRJ-55A80Jの画面から鳴っているような距離感があるので大きな不満はない。ちなみに個人の聴感特性データの最適化を行わないと、この空間の広がりがやや方向感を強調したような感じになり、不自然さや違和感になる。

のんびりとした船旅と思わせながら、当然のようにゴジラがやってくる。今作でのゴジラの行動はきちんと筋が通っていて、モナークに敵対する陣営が密かに計画している何かを追っている。だが、太古の昔からの因縁の相手であるコングが姿を現せば、無視はせずに攻撃してくる。背びれだけを見せながら海上を進むゴジラを戦闘機やミサイルで迎撃するが、ミサイルの飛翔音は空間を自在に飛び回るし、そのまま駆逐艦を真っ二つにしてしまうなど、映像的な迫力も満点。

一度はタンカーにつながれたまま海中に没するコングだが、暗い海の中でのシーンも見通しがよく、放射能火炎を吐くときに尾や背びれだけでなく目も光る演出も迫力満点。ディテイルの精密さと海中での青みがかった色調もリアルで、XRJ-55A80Jの実力の高さもよくわかる。

なお、本作は3D上映も行なわれており、海外盤のみだが3D版も発売されている。アクションパートでは3Dを意識した演出も数多いので、3D対応の薄型テレビやプロジェクターをお持ちの人は海外盤の3D版も楽しい(ただし音声はDolby AtmosではなくDTS HDの7.1ch)。ディテールの再現などでは4K HDRの方が情報量が多いと感じるが、3D版のアトラクション的な立体感もなかなかいい。

しまいには空母の甲板上にコングとゴジラが乗って、壮絶な殴り合いを展開するのだが、音響的な迫力もあってかなり楽しめる。SRS-NS7はコングやゴジラのうなり声に含まれる重低音や、重量感たっぷりの足音ではローエンドの伸びにやや不足はあるのだが、うなり声が空間に響いていく感じやズシンとした音の感触はきちんと再現できるなど、低音感はしっかりとしている。このあたりの低音がたっぷりのシーンではパッシブラジエーターもわずかながら振動し、その感触もあって迫力不足とは感じない。けっして安っぽい怪獣のプロレスを見ているような興醒めの感覚にはならない。

そして、SRS-NS7を装着している聴き手としてはかなりの大音量で鳴らしているが、そばに居る人からはあまりうるさく感じない音量であるのは大きなメリットだ。隣に居る人の感覚としては、音量的には一般的なテレビの音量程度のもので、横で一緒にテレビの画面を見ていると、音場感は少々変になるが、セリフも含めてきちんと音は聞き取れる感じ。そして、それだけの大音量で視聴していても、隣りにいる人の声もきちんと聴こえるし会話も問題なくできる。このあたりがヘッドフォンでの視聴とはまるで異なってくる。

SRS-NS7の空間再現はかなり優秀で、サウンドバーや後で紹介するヘッドフォンよりも空間感は優れると感じた。さらに映画館そのままの音響を求めるならば、HT-A9とオプションのサブウーファーの組み合わせとか、AVアンプとスピーカーによる本格的なDolby Atmos対応システムということになる。

そう考えると、SRS-NS7のコストパフォーマンスはかなり優秀だ。音質的にもクセのない自然な感触で、ステレオ再生での素の音質は穏やかで聴きやすい傾向だ。だから、セリフもくっきりと明瞭でありながら、絶叫でも耳障りにならないし、音楽も重厚でメロディーまできちんと再現する情報量を確保しながら、聴き疲れのしない心地よさがある。無理に重低音を欲張っていないのも、こうした聴き疲れしないことや聴き心地の良さを意識しているのかもしれない。

ヘッドフォン「WH-1000XM」では、3Dサラウンドはどう感じるか

WH-1000XM4。高機能なノイズキャンセル機能を備えたワイヤレスヘッドフォンで、人気の高いモデルのひとつ

ここからは、「360 Spatial Sound Personalizer」に対応したモデルであるWH-1000XM4で聴いた印象と合わせて紹介していこう。

ゴジラは香港に上陸し、暴れ回っている。空洞世界での故郷を発見したコングも、ゴジラとの対戦のためか香港へと向かう。香港の夜景はビルのネオンが美しく、かつての電脳空間を思わせるような独特なものになっていて、都市部の夜景から連想するイメージとはずいぶん違う。これはこれでもなかなか見応えがあり、コロナ禍が収束したらぜひとも香港に行きたいと思うほど。それはさておき、高層ビルに囲まれながらもコングはビルの谷間を自在に駆け回る。ゴジラは対照的に邪魔なビルはなぎ払い、放射能火炎で破壊する。実に対照的なスタイルだ。

WH-1000XM4への切り替えは、SRS-NS7のワイヤレストランスミッターの接続ボタンを長押しにしてペアリングを行なうだけでいい。ペアリングが完了すると、XRJ-55A80Jでも認識し、機器データが保存される。あとの操作はSRS-NS7とまったく同じで、クイックメニューには機器名が表示されるし、個人特性データの切り替えなどもできる。

ワイヤレストランスミッターとのペアリングが完了すると、自動的にBRAVIA XRで機器データの保存が行なわれる
接続完了後は、クイックメニューにWH-1000XM4の名称が表示され、切り替わっていることが確認できる

WH-1000XM4に切り替えると、3Dサラウンド:オフではまったく普通のヘッドフォン視聴になる。テレビ側の擬似的なサラウンド感はあるが、広がりがやや大きくなる程度で基本的にはステレオ再生の感覚。音質的にはWH-1000XM4の方が低音までしっかりと出るし、情報量もより豊かだと感じる。さすがは音質の面でも評価の高い人気モデルだけのことはある。

音質を求めるならば、BRAVIA XRとWH-1000XM4を組み合わせ、WLA-NS7を追加するのも有効な選択だと思う。ヘッドフォンでしかもノイズキャンセルも優秀で、隣の人の声も聴こえにくくなるほど映画の音に没入できてしまうので、使い勝手は大きく違う。このあたりは実際の使い方や好みでの選択になるだろう。

サラウンド空間の再現としては、空間の広がりという点ではSRS-NS7の方がより広大だ。WH-1000XM4では狭いと感じるほどではないが、SRS-NS7が大きめの映画館とするならば、WH-1000XM4だとミニシアターくらいの広さと感じるような、その場所にいる空間の広さ感に違いがある。これは、WH-1000XM4が密閉型ということの影響が大きいと思う。

このあたりは、カナル型イヤフォンの「WF-1000XM4」ではまた違った空間感になると思うし、仮に開放型のヘッドフォンならばより空間の広い再現になると思う。SRS-NS7はそのあたり、ヘッドフォンではなくスピーカーなので空間の大きさでは有利だ。

一方で、低音はサブウーファーを備えたシステムに匹敵するほどローエンドまで伸びるので、迫力はWH-1000XM4が段違いに勝る。ずしんと響く足音はその実体感のある感触だけでなく、その場の空気まで震えるような耳に聞こえない重低音の響きまで伝わる。細かな音の再現性や定位もさらに緻密なので、空間が広大すぎないこともあって、ダビング用のスタジオで聴いているような、精密に細かな音まで確認できるような感覚がある。情報量は明らかに上だし、音質的な満足度も高い。「ゴジラvsコング」のような映画を1本見たら、ヘッドフォンを外して耳を休めたくなるくらいの心地良い疲労感はある。

そのため、香港でのゴジラとコングの戦いでも、ビルの谷間をかいくぐるようなコングの俊敏な動きはWH-1000XM4の方がより実感できるし、より間近で両者のバトルを見ている感覚もある。SRS-NS7は高みの見物というほどではないが、少し遠目の位置から見ている感覚。ゴジラがビルをなぎ倒しながら突進するときの迫力や両者が激突するときの迫力など、スケール感が豊かだ。極論すれば空間のスケールの大きさか、重低音のエネルギー感と情報量の豊かさかの選択になるが、どちらを選んでもサラウンド再生としての満足感はかなり高いと思う。

サラウンドを存分に楽しむための環境はますます充実してきている。今こそAtmos導入を

ゴジラとコングの戦いは一進一退の攻防となるが、クライマックスでは本作でゴジラが各地に上陸した理由がついに姿を現す。このラスボスとの対決も当然ながら見応え満点だ。前作のような豪華さにはやや欠ける感もあるが、東西の二大怪獣の対決でありモンスターユニバースのひとつの締めくくりともなる作品なので、怪獣ファンならばぜひ見てほしい作品だ。しかも巨大な怪獣のスケールを味わうならば、劇場で見るのが理想だし、家庭での視聴でも大画面テレビとAtmos音響は欠かせないと思う。

BRAVIA XRとの組み合わせが前提とはいえ、SRS-NS7のような価格的にも手頃な製品が登場してきた今、Dolby Atmosへの対応は映画ファンやAVファンだけでなく、誰でも検討した方がいいと思う。

その意味で、BRAVIA XRシリーズがテレビ自体の優秀さだけでなく、オプションとして組み合わせる機器を充実していくことで商品の魅力をさらに高めていくのも上手いやり方だと思う。他社製のテレビやプロジェクターを使っている人にはちょっとくやしいところだが、テレビやオーディオ機器、ゲーム機まで発売しているソニーならではの強みでもある。

動画配信サービスの普及で映画はますますお手軽なものになっているが、映画は設備や環境の整った映画館で見るのが理想的な姿であることを忘れないでほしい。スマホなどで視聴を否定はしないが、映画ファンを自認するならば、映画館に脚を運んだり、自宅のテレビや音響を少しだけでも映画館に近づけてみてほしい。その方がきっと映画の魅力も増すと思うのだ。

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科学&テクノロジー

これがWindows 11で生まれ変わったマウス「DAIV 5N」。RTX 3060搭載高性能ノートの実力を検証 - PC Watch

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DAIV 5N [Windows 11]。直販価格はメモリ16GBモデルが23万780円、32GBモデルが25万2,780円

 マウスコンピューターが10月に販売開始した、クリエイター向けブランドDAIVの15.6型ノートPC「DAIV 5N [Windows 11]」。従来機「DAIV 5N」の後継品にあたり、製品名の通りOSに最新の「Windows 11 Home」を搭載するほか、CPUにIntelのノートPC向けハイエンドSKU「Core i7-11800H」を採用するなど、性能面/機能面での更新を図ったモデルだ。

 直販価格はメモリ16GBモデルが23万780円、32GBモデルが25万2,780円で、シーンを問わず快適なクリエイティブ用途を求めるユーザーにおすすめできる。

 この記事ではDAIV 5N [Windows 11]の製品サンプルをもとに、特徴や使い勝手などのインプレッション、およびベンチマークによる性能チェックを実施していく。

OSに加え、CPUの世代更新により総合性能が向上

DAIV 5N [Windows 11]
【表】DAIV 5N [Windows 11]の主なスペック
CPU Core i7-11800H(8コア/16スレッド/2.3GHz/TB時最大4.6GHz/24MBスマートキャッシュ)
チップセット Intel HM570 チップセット
GPU GeForce RTX 3060 Laptop GPU(6GB GDDR6)/Intel UHDグラフィックス
メモリ 16GB(DDR4-3200、8GB×2/デュアルチャネル) 32GB(DDR4-3200、16GB×2/デュアルチャネル)
ストレージ 512GB(M.2NVMe SSD) 1TB(M.2NVMe SSD)
ディスプレイ 15.6型WQHD(2,560×1,440ドット)非光沢(LEDバックライト)
OS Windows 11 Home
ネットワーク 2.5Gigabit Ethernet、Intel Wi-Fi 6 AX201(最大2.4Gbps)+Bluetooth 5モジュール内蔵
バッテリ駆動時間 約6時間
本体サイズ(幅×奥行き×高さ) 355.5×236.7×20.6mm
重量 約1.73kg
直販価格 23万780円 25万2,780円

 まずはハードウェアの基本的な構成を確認していこう。従来製品からの大きな変更点と言えるのが、10月にリリースされたばかりのOSであるWindows 11 Homeを搭載していることだ。

 OSの更新というと互換性に不安を覚える読者もいるかもしれないが、筆者がこれまでWindows 11を試した限り、Adobe系のアプリや有名どころのPCゲームタイトル、Officeスイートといった各種アプリは問題なく動作しており、少なくともメジャーなアプリを活用する上では大きな問題はないと思われる。Windows 10とは使い勝手が異なる面もあるが、このあたりは慣れの問題だろう。

 マルチタスク向けのスナップレイアウト機能やTeamsの統合など、基本的にはニューノーマルな働き方を強く意識したOSということもあって、ビジネスで本製品を活用する場合の相性はそれほど悪くないと思われる。

 もう一つの大きな変更が、CPUにノートPC向けIntel第11世代のCore i7-11800Hを採用する点だ。

 Tiger Lake世代のノートPC向けハイエンドSKUであるCore i7-11800Hは、従来製品に搭載されていたCore i7-10870Hとコア/スレッド数こそ変わらないものの、10nm SuperFinプロセスの導入といった変更で性能が大幅に向上している。

 本製品に関しては、従来モデルからシングルスレッド性能で約24%、マルチスレッド性能で約20%の向上を謳っており、CPU性能に関しては大きなジャンプアップを果たしていると言っていいだろう。

CPUはCore i7-11800H。プロセス微細化により前世代から大幅な性能向上を果たしている
GPUはGeForce RTX 3060 Laptop

 GPUのGeForce RTX 3060 Laptopは、ミドルクラスのクリエイティブ/ゲーミングPCでは鉄板のチョイス。本製品はディスプレイ解像度がWQHD(2,560×1,440ドット)までということもあり、フルHD(1,920×1,080ドット)~WQHD解像度の素材を利用した映像編集であれば性能的には十分だろう。

 ビデオメモリが6GBなので、高解像度の映像編集をメインにするような用途ではやや心もとないが、極端に高い負荷のかかる処理を行なわない場合は4K映像などの編集も可能なはずだ。

 ディスプレイはサイズが15.6型、解像度は先に述べた通りWQHDまで対応で、色域はsRGB比100%を謳う。なお、本製品は特にゲーミング向けというわけではないのだが、パネル自体は165Hzのハイリフレッシュレート仕様だ。映像編集などではそれほど有用とは言えないが、息抜きにPCゲームをプレイするような場面では役立ってくれるだろう。

 メインメモリの容量は16GB(DDR4-3200、8GBデュアルチャネル)または32GB(DDR4-3200、16GBデュアルチャネル)。従来モデルはDDR4-2666動作だったため、このあたりも地味ながら性能アップに寄与しているポイントだ。

 ストレージは512GBまたは1TBのNVMe SSDであり、どちらも今どきのノートPCとしては一般的だ。大量の写真や重めの動画ファイルを複数保存しておくのであれば、購入時のカスタマイズメニューから最大で2TBまでのアップグレードメニューを適用するのもいいだろう。

 ネットワークに関しては、本体背面のGigabit Ethernetに加え、内蔵するIntel AX201モジュールによるWi-Fi 6無線通信にも対応する。自宅では有線で接続し、外出先では無線に切り替えるなど、シーンに合わせた柔軟な選択が可能だ。

DAIV 5N [Windows 11]の性能をベンチマークでチェック

 では、DAIV 5N [Windows 11]の性能をいくつかのベンチマークで計測してみよう。今回はメモリ16GBモデルのサンプル機を使用し、「Cinebench R23」「PCMark 10」「3DMark」「ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ ベンチマーク」「UL Procyon」といった各種ベンチマークアプリに加え、簡単な写真編集、動画編集のテストを実施した。

 なお、計測時の本体動作モードは工場出荷時の「バランスモード」ではなく、性能が向上する「パフォーマンスモード」を選択している。

【表】ベンチマーク結果
Cinebench R23
CPU(Multi Core) 11,261pts
CPU(Single Core) 1,530pts
PCMark 10 v2.1.2519
PCMark 10 Score 6,091
Essentials 8,481
App Start-up Score 8,952
Video Conferencing Score 7,725
Web Browsing Score 8,822
Productivity 8,221
Spreadsheets Score 11,155
Writing Score 6,060
Digital Content Creation 8,796
Photo Editing Score 12,266
Rendering and Visualization Score 11,301
Video Editting Score 4,910
PCMark 10 Modern Office Battery Life 5時間47分
3DMark v2.20.7250
Time Spy Extreme score 3,969
Time Spy Extreme Graphics score 3,917
Time Spy Extreme CPU score 4,299
Time Spy score 8,178
Time Spy Graphics score 8,145
Time Spy CPU score 8,373
Fire Strike Ultra score 5,196
Fire Strike Ultra Graphics score 5,049
Fire Strike Ultra Physics score 22,853
Fire Strike Ultra Combined score 2,680
Fire Strike Extreme score 9,905
Fire Strike Extreme Graphics score 10,220
Fire Strike Extreme Physics score 23,336
Fire Strike Extreme Combined score 4,730
Fire Strike score 18,820
Fire Strike Graphics score 21,489
Fire Strike Physics score 23,262
Fire Strike Combined score 8,487
ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ ベンチマーク
1,920×1,080ドット 最高品質 15,492
2,560×1,440ドット 最高品質 11,758
UL Procyon v2.0.279
Photo Editing Benchmark score 6,375
Image Retouching score 6,094
Batch Processing score 6,670
Video Editing score 5,011
Lightroom Classic
動画書き出し時間 5分30秒42
Premiere Pro
動画書き出し時間 5分54秒85

 Cinebench R23のスコアは、マルチスレッドテストのスコアが11,261pts、シングルテストのスコアが1,530pts。過去に従来モデルと同様のCore i7-10870H搭載ノートPCでベンチマークを実施した際は、マルチテストで10,000pts前後、シングルテストで1,200pts前後の結果だったため、かなり性能が向上しているのは確かだろう。

 特に写真の書き出しといった作業はCPU性能が重要になるため、性能面でのアドバンテージが大きいはずだ。なお、工場出荷時のバランスモードで計測した場合はマルチテストのスコアが8,700pts前後まで低下してしまったため、負荷の高い作業をする場合は動作モードを変更することを推奨したい。

 PCMark 10および3DMarkは、どちらも妥当な結果だろう。PCMark 10はどのテストグループでも優秀なスコアが出ており、本製品の主な用途であるDigital Content Creationの総合スコアは8,796となった。個別に見ていくとPhoto Editing Scoreが特に良好で、更新されたCPUの性能が発揮されたと言ってよさそうだ。

 3DMarkに関しては、CPUとGPUがいずれもミドルクラスのゲーミングPC水準の性能であることから、内部的に4K解像度で描画されるTime Spy Extremeのようなテストを除き、満足な結果が出ている。先に述べた通りディスプレイがハイリフレッシュレート仕様であることから、本来の用途からは外れるもののゲーミングPCとしての利用にも期待が持てるだろう。

 実際、ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ ベンチマークでは、どちらのテストでも高い水準のスコアが計測できた。

 プロクリエイター向けの写真・動画編集系のテストであるUL Procyonは、どちらの結果もノートPCとしては優秀だ。写真編集に関しては、データのレタッチ時の快適さを測るImage Retouching score、バッチ処理の快適さを測るBatch Processing scoreのスコアがどちらも6,000を超えており、作業フローを通してスムーズな動作が期待できる。

 一方のVideo Editing scoreは約5,000前後と、写真編集系には若干見劣りするが、こちらも十分に健闘しているスコアだ。写真と動画編集、どちらの用途でもある程度の快適さは保証されているだろう。

 実際の素材を使った書き出し時間の計測も実施してみた。Lightroom Classicでは、299枚のNEFファイル(7,360×4,912ドット、容量12.5GB)を最高画質のJPEG画像に書き出すまでの時間を計測したところ、結果は5分30秒42となった。過去に第10世代Coreプロセッサを搭載したクリエイティブ向けのノートPCで計測した際は7~9分台が当たり前であったため、本製品の処理はかなり高速と言えそうだ。

 一方、Premiere Proでの動画書き出しに関しては、再生時間7分41秒の4K動画素材(容量2.5GB)を、形式「HEVC(H.265)」、プリセット「4K UHD」でMP4ファイルとして書き出すまでの時間を計測している。こちらは5分54秒と、おおよそ6分程度で作業が完了した。外出先にノートPCを持ち出して素材を撮影し、そのまま編集して書き出しといったような使い方も十分に可能だろう。

シーンを問わず、快適なクリエイティブ作業を実現

 ここまで見てきたように、「DAIV 5N [Windows 11]」はクリエイティブな使用に耐えうる十分な性能を備えたノートPCだ。従来モデルと比べた場合、特にCPU性能の向上もあって、よりキビキビとした動作が期待できるのが魅力だろう。

 メモリとSSD容量の異なる2モデルをラインナップしているため、どちらを購入するべきかは悩みどころだが、SSD容量の不足はThunderbolt 4接続の外付けストレージなどである程度対応できることから、純粋に必要なメモリの容量で選ぶのがおすすめだ。

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